国内のイヌで初の新型コロナウイルス陽性事例

掲載日:2020.08.07

これまでもコラムで香港やアメリカなどのイヌやネコにおける新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染事例を紹介してきました。今般、日本で初のイヌにおけるPCR陽性事例が報告されましたので紹介します。

ペットの保険事業を展開するアニコムホールディングス株式会社は、新型コロナウイルスに感染した方の飼育するペットを無料でお預かりするプロジェクト『#StayAnicom』(https://www.anicom.co.jp/release/2020/200410.html)を実施しており、8月3日に二世帯の2頭の預かりイヌがPCR検査で陽性であったことを報告しました(https://www.anicom.co.jp/release/2020/200731.html)。プロジェクトで預かったペットについては複数回のPCR検査を実施していたそうで、その経過中に陽性の検査結果が得られたようです。なお、いずれのイヌに症状はなく、1頭はすでに陰性に転じたそうです。

これまでの香港での感染事例から飼い主からイヌへの感染が示唆(https://cvdd.rakuno.ac.jp/archives/3755.html)されていたことから、感染が明らかになっても起こるべくして起こった事例といえそうです。ただし、これまでのペットの自然感染事例から、ヒトからヒトへの感染に比べるとヒトからイヌへの感染は容易に起こらないようです。また、ネコやイヌはどのくらいのウイルス量で感染するのか、感染したら糞尿などからどの程度のウイルス量をどのくらいの期間排出するか、さらにはネコやイヌからヒトへ感染するのかなど、まだまだ情報が不足しています。したがって、現時点でペットに対して過剰な対応を考える必要はないと米国の公衆衛生当局は警告しています。ただし、飼い主に感染が疑われるか、検査で陽性が確認された場合は、他のヒトと同じように、ペットや他の動物との接触をさけることは必要です。なお、動物での詳細なことが判明するまで、米国疾病対策センター(CDC)は以下のことを推奨しています(https://www.cdc.gov/media/releases/2020/s0422-covid-19-cats-NYC.html)。

■飼い主に感染が認められた時は、飼い主以外の方にペットの世話をしてもらいましょう。

■撫でる、寄り添う、キスや舐められる、食べ物や寝具を共有するなどのペットとの濃厚な接触を避けましょう。

■ペットの世話をしなければならない場合は、接触する前後に十分に手を洗って下さい。