米国農務省:トラが新型コロナウイルスに感染

掲載日:2020.04.07

4月5日に米国農務省(USDA)所属の国立獣医学サービス・ラボラトリー(National Veterinary Services Laboratory)がニューヨークの動物園で飼育するトラ1頭が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したことを明らかにしました。これは野生動物のトラが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患することを最初に報告したものです。動物園で呼吸器系の症状を示す数頭のトラとライオンがいる中で、1頭から採材された検体で陽性例が出たものです。COVID-19に罹患してウイルスを排出している飼育員から感染したものと考えられ、3月27日に最初の症状が出ていました。USDAと米国疾病予防センター(CDC)は状況を注意深く監視し、調査結果を国際獣疫事務局(OIE)に報告すると述べています。また、COVID-19に罹患した人は、ヒトと同様にペットにも注意を払って、ペットへの接触を制限する必要があると指摘しています。

今回、1頭しか検査しなかった理由としては、採材するためトラに全身麻酔をかける必要があり、同じ呼吸器症状を示すトラとライオンに全身麻酔をかけることによるリスクを回避したとしています。これまで野生動物における感染例は報告されていなかったのですが、これまでも香港で無症状のイヌや、ベルギーで呼吸器系や下痢症状を示すネコでの感染事例が報告されています。トラもライオンも同じ食肉目ネコ科ヒョウ属に属する動物と考えると、ネコを含めてネコ科の動物がSARS-CoV-2に感受性があることのようです。ただ、ネコ科の動物はどの程度の感受性を示すのか、ヒトと同じような伝播を起こすのか、なぜネコ科の動物が感染するのかなど、不明な点も多くあるようで、今後の研究の進展に期待したいところです。

 

USDA Statement on the Confirmation of COVID-19 in a Tiger in New York

https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/news/sa_by_date/sa-2020/ny-zoo-covid-19

 

続々報:新型コロナウイルスによるイヌとネコの感染

https://cvdd.rakuno.ac.jp/archives/3489.html