11月は薬剤耐性(AMR)対策推進月間です!

掲載日:2019.11.19

日本政府は薬剤耐性(AMR)に係る全国的な普及啓発活動を推進するため、毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」に設定しています。また、WHO(世界保健機関)により11月18日を含む週が「世界抗菌薬啓発週間World Antibiotic Awareness Week」として定められ、今年は2019年11月18日(月曜日)~11月24日(日曜日)となっています。政府機関だけではなく民間の様々な団体が一体となって、普及啓発に係る取り組みを重点的に実施し、国民一人ひとりがAMRの問題を意識し、取り組めるよう促しています。なお、今年のキャンペーンポスターは人気アニメ「はたらく細胞」のキャラクターを起用したものとなっています(下図参照)。

AMR対策推進月間に当たってAMR対策について今一度確認してみたいと思います。まず薬剤耐性菌とは抗菌薬(抗生物質)に対して抵抗性を獲得した細菌をいいます。私たちの体には非常に多くの細菌が住み着いており、その一部がわれわれに病気を起こす細菌になります。通常はお互いにバランスを保ち、病気を引き起こすことなく生活しています。これらの細菌の一部が耐性菌であり、どのような方にも多い少ないはありますが耐性菌を保有しています(下図参照)。抗菌薬は細菌感染症に対して有効な治療薬ですが、風邪などのウイルス感染症には全く効きません。抗菌薬を使用すると大多数の感受性のある細菌は死滅し、耐性菌だけが増え続けることになります。したがって、抗菌薬は必要な時に適切な量を必要とする期間に使用することが重要になります。自己判断で抗菌薬の使用を止めれば、適切な投与で死滅した耐性菌も生き残ることになります。抗菌薬はわれわれが健康な生活をしていくためにも必要な薬であり、今後も使い続ける必要があります。そのためにわれわれができることは以下のようになります。

■かぜに抗菌薬は効きません。抗菌薬は細菌と戦う薬です。

かぜやインフルエンザの原因となるウイルスには効きません。

■医師はあなたの体に合わせた抗菌薬を処方しています。

処方された抗菌薬は医師の指示通りに服用し最後まで飲み切りましょう。

人から抗菌薬をもらったり、とっておいて後で飲んではいけません。

■わからないことは医師や薬剤師に相談しましょう。

■日頃から予防が大切。手洗い、咳エチケット、ワクチン接種。

不必要な抗菌薬の使用を止め、必要な時に必要な量を必要な期間を使用し、耐性菌を増やさないようにしましょう。なお、詳しくはAMR臨床リファレンスセンターのホームページに易しく解説されているので参考にして下さい。

 

一方、農林水産省もAMR対策推進月間を進めています。家畜やペットなどの動物でも多くの細菌感染症が知られていますし、家畜の成長促進目的で抗菌薬が使用されています。動物への抗菌薬の使用により増加した耐性菌は、動物の細菌感染症の治療を困難にするだけでなく、動物や食肉などの畜産物を介して人に伝播し、人の感染症の治療を困難にすることが懸念されています。したがって、動物分野では以下のような抗菌薬の慎重使用を推進しています。ここでいう慎重使用とは、適正使用以上に注意して抗菌薬を使用することで、抗菌薬を使用しないことも含めています。

■感染症を予防する。飼養衛生管理の水準を高め、感染症を予防することで抗菌薬の使用を抑えましょう。

■動物の状態を的確に把握する。動物の異変に素早く気付けるように、毎日、動物の健康観察を行いましょう。

■獣医師に伝える。獣医師が適切に診断できるように、病状や過去の感染症の発生状況などの情報を獣医師に伝えましょう。

■抗菌薬を正しく使用する。抗菌薬は獣医師の指示に基づき、正しく使用しましょう。

なお、詳しくは農林水産省のホームページに易しく解説されているので参考にして下さい。

 

AMR臨床リファレンスセンター
http://amr.ncgm.go.jp/information/20181024102427.html

農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/yakuzi/koukinzai.html

http://amr.ncgm.go.jp/pdf/hatarakusaibou_poster.pdf

http://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/yakuzi/attach/pdf/koukinzai-23.pdf