平均寿命と健康寿命

掲載日:2019.10.21

厚生労働省が2019年7月30日に公表した簡易生命表によりますと、2018年の日本人の平均寿命は男性81.25歳、女性は87.32歳で過去最高を更新したことが分かりました。国際比較で見ると、日本女性の世界ランキングは香港(87.56歳)に続いて第2位、男性は香港(82.17歳)、スイス(81.4歳)に続いて第3位となります。国ごとの平均寿命と国内総生産(GDP:Gross Demestic Product)は相関することが知られています。GDPとは、その国の中で一定期間に物やサービスの生産・提供を通じて新たにどれだけ付加価値が生み出されたかを表す数値となります。つまり、平均寿命は経済状況と密接に関連することを示しています。2018年の日本のGDPは、アメリカ、中国に次いで3位となっており、ほぼ順当な平均寿命となっているのです。また、平均寿命と関連した言葉で健康寿命という言葉があります。健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。では平均寿命と健康寿命との差はどの位なのでしょうか?図を見ていたければ分かるように、2016年では男性8.84歳で女性が12.35歳ということになります。このような長期間にわたり、制限を強いられて生活しても毎日に満足は得られないように思われます。したがって、公衆衛生学の最大の課題が健康寿命を延ばし、平均寿命との差を縮めることなのです。

次にイヌやネコなどの伴侶動物の平均寿命を見てみましょう。2018年度のペットフード協会の統計をみると、イヌが全体で14.29歳となり、イヌのサイズが小さい程長生きのようです。一方、ネコは全体で15.32歳となり外に出ない程に長生きのようです。ここ5年間の推移をみても、大きな変動がイヌとネコでも見られていません。ここで言う平均寿命はあくまで平均の話しであり、動物の個体差が大きいということも言えます。伴侶動物に対して健康寿命という概念まだなく、統計も存在しません。したがって、実態は分からないのですが、ニュースなどでイヌやネコの介護や施設の話題が取り上げられているところをみると、動物を飼育すると少なからずこの問題に向き合うことになりそうです。平均寿命と健康寿命との差は人間ほどの開きはないと思いますが、飼い主には覚悟が必要であるということです。基本的に動物は動けなくなると比較的短期間で天寿を全うすることになるので、その時にあわてないようにお願いしたいと思います。寿命を延ばすために飼い主にできることは、できるだけ動物の健康に留意し、適度な運動と健康な食生活を心掛けることが大事だと思います。また、死因の多くは感染症でありますことから、獣医師と相談の上で適切なワクチン接種をお願いしたいと思います。

 

生命表

厚生労働省では、「完全生命表」と「簡易生命表」の2種類 を作成・公表しており、「簡易生命表」は、人口推計による人口や人口動態統計月報年計(概 数)による死亡数、出生数を基に毎年作成している。また、「完全生命表」は、国勢調査に よる人口(確定数)や人口動態統計(確定数)による死亡数、出生数を基に5年ごとに作成 している。