【論文掲載】耐性菌保有ハエによる食品の汚染

掲載日:2019.10.07

農家で飼育される家畜の糞便から高頻度で薬剤耐性菌が検出されることが知られています。また、畜舎にはハエが飛翔し、家畜の糞便を摂食するため、家畜の糞便と同じ耐性菌を保有することが明らかとなっています。ハエは風にのると10数キロも飛翔することが知られており、運び屋として農家の耐性菌を家庭内に運ぶことも十分想定されます。そこで高濃度(109CFU/ml)、中濃度(107CFU/ml)、低濃度(106CFU/ml)の耐性菌浮遊液を与えたハエと、砂糖とミルクの混合液、リンゴ、カステラを共存させ、経時的に食品中の耐性菌数を測定しました。その結果、ハエは耐性菌を含む糞を排泄するとともに食べ物を吐き戻すため、ハエの耐性菌保有菌数が多いほど、食品への汚染リスクが高まることを示した。高濃度のハエでは、リンゴとカステラで5分後に104CFU/gの菌数を示しました。砂糖とミルクの混合液では少し遅れたものの、30分後にリンゴとカステラの菌数に到達しました。以上のことから、家畜の糞便由来耐性菌のヒトへの伝播においてハエを制御することが重要であることを示されました。