【論文掲載】国産市販野菜の約8%から薬剤耐性菌が検出される

掲載日:2019.09.30

薬剤耐性菌は生態系で循環すると考えられています。耐性菌を含む病院排水は下水処理施設を経由して河川に放水されていますし、農場でも耐性菌を含む家畜の糞便が直接的または堆肥を経て環境に曝露されています。したがって、畑で生育する野菜に耐性菌が分布することは予想されていたものの、野菜を対象とする疫学調査は非常に少ないものでした。今回、我われは国内の7つスーパーマーケットから国産野菜130サンプルを購入し、681種類の細菌を分離しました。家畜の糞便に由来する腸内細菌科細菌の分離率は海外と比べて低率でした。しかし、10サンプル(約8%:キャベツ、玉ねぎ、キュウリ、ニンジンなど)から医療で重要視されている基質拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌が分離されました。これらの細菌が保有するESBLの種類は、blaTEM-116blaSHV-12で、この内、blaSHV-12は世界中の人や動物からの分離株でも報告されているものでした。

野菜は生で喫食する場合が多くあり、ESBL産生菌が市販野菜から分離されたことは、市販野菜がESBL産生菌の人への伝播経路の一つになる可能性を示したことになります。今後は市販野菜への汚染ルートの解明が求められます。また、市販野菜の監視体制の強化や野菜調理時の洗浄の重要性を示す結果となりました。

 

 

Usui M, Ozeki K, Komatsu T, Fukuda A, Tamura Y: Prevalence of extended-spectrum beta-lactamase-producing bacteria on fresh vegetables in Japan. J Food Protection October, 2019.  https://doi.org/10.4315/0362-028X.JFP-19-138