往診専門の動物病院を知っていますか?

掲載日:2019.09.17

往診といえば病気のイヌやネコが重病であって移動が難しい時や、飼い主が交通手段を確保できない時、育児で家から出かけられない時、動物病院への移動時間や待ち時間が苦痛といった場合などに、近隣の通常通っている動物病院に依頼してお願いしているのが普通かと思います。飼い主にとって便利な方法ですがいつでも頼める状況になく、費用も割高になるものと思います。また診療内容にも限界があり、特に外科系の診療はできません。一方、頼まれた獣医師にとっても、複数の獣医師が勤務していれば別ですが、多くは一人で勤務しており、通常の診療業務を中断して往診しなければならないなど不便なことも多いものです。このような状況の下、最近、メデイアなどで紹介されているように往診専門の動物病院が増えているようです(https://sippo.asahi.com/article/11966177)。例えば東京都に飼育動物診療施設として届けられている中で往診専門が2007年は83施設であったものが、今では183施設になっているそうです。この傾向は地方でも認められているようです。

往診専門の動物病院は、その名の通り「病院」施設を持たず往診のみを行うものです。車で医療機具や医薬品を携えて病気の動物のもとを訪問し、健康診断やワクチン接種などの予防医療や、慢性疾患の治療などを飼い主の自宅で実施するものです。入院や手術、レントゲン検査などはできませんが、通院と違い決められた時間に訪問するため待ち時間がありません。住み慣れた自宅で診療するため、病院で他の動物との接触によるストレスも軽減すると考えられます。また、往診専門の場合は、通院に比べて診察時間が長く、飼い主に対する説明もじっくり行うことができるという利点もある。また獣医師にとっても病院開設に伴う資金が非常に安く済むという利点もあります。

飼い主のライフスタイルも多様化している現在、ともに生活する動物の動物病院へのかかり方も多様になっていると考えられます。そのような状況の下、往診専門の動物病院があることを知っていただき、選択の幅を広げていただき動物の健康維持に役立てていただきたいと思います。なお、先にも述べたようにそれぞれの診療形式に利点も欠点がありますので、病気の動物の状態や自宅周辺の医療環境など総合的に勘案して、動物にとって最良の選択になることを期待しています。