2018年 犬猫飼育実態調査の概要

掲載日:2019.02.12

一般社団法人ペットフード協会は、ペット飼育に関する実態調査を毎年実施しており、日本で唯一のペット飼育に関する調査資料として公表しています。今般、2018年の調査成績がwebで公表されましたので、その概要を紹介したいと思います。詳しい情報は下記のwebサイトをご覧ください。

調査はインターネットを用いて全国の20~79歳の男女からアンケートを実施したもので、犬や猫を飼育している人と外猫の世話をしている1,980人からの調査結果を集計したものになります。まず飼育頭数ですが実際の飼育頭数を累計したのではなく、わが国の全世帯数に犬の飼育率を掛けて飼育世帯数を算出し、それに平均飼育頭数を掛けることにより飼育頭数を求めるものです。図を見ていただけるとお分かりのように、2017年から猫の飼育頭数が犬を上回っており、2018年では犬が8,903千頭で猫が9,649千頭と差が広がっています。犬の飼育頭数が下げ止まり傾向にあるのに対し、猫は増加傾向にあるように見えます。このままでは犬猫の飼育頭数にますます大きな差になりそうです。

飼い主の年代別飼育状況を見ると、猫が各年代とも年ごとに変化がないのに対し、犬では各年代で年ごとに減少傾向があり、特に最も飼育率が高い50代での減少率が大きいようです。また、今後の飼育意向を見ても、犬に対して50代の減少率が大きいようです。このことから現状では犬の飼育頭数の増加はとても望めない状況です。

純血種、雑種の割合と主な飼育場所を見てみると、興味あることに犬では純血種が多く約90%を占めているに対して、猫では徐々に増えているものの18%に過ぎません。犬では主にペットショップから購入するのに対し、猫の飼育する切っ掛けが猫を拾ったことや迷い込んできたことが多いというアンケート結果に関連するものと思います。ペットの飼育場所ですが、散歩や外出時以外を入れて室内で飼育するとお答えの方が、犬猫共90%前後となっています。猫は理解できるとして、犬は従来の番犬から伴侶動物に飼育目的が変更したことを如実に物語っているようです。それを象徴するように犬種はチワワ、ミニチユワ・ダックスフント、トイ・プードル、柴犬といった小型から中型犬が約半数を占めています。一方、猫は雑種が77.5%のようで、先の飼育の切っ掛けと関連するようです。

今回の調査で寿命についても聞いていますが、犬で平均14.3歳であり小型ほど長生きのようです。また猫は平均15.3歳であり外に出ない猫ほど長生きです。先にこのコラム(2018年7月9日)で紹介した動物病院のカルテから見た平均寿命と比べて1~3歳短いようで、自宅で天寿を全うした犬と猫が多いと言うことでしょう。飼育する年齢も犬では7歳以上が55.7%を占めており猫では47.3%でした。

今回の調査結果をみて感じることは、まず従来伴侶動物の代名詞が犬であったものが、飼育頭数で明らかに猫に代わってきたことでしょう。今後の飼育意向からもこの傾向がますます大きくなるものと思えました。今回、猫に伴侶動物の主役の座を奪われたと感じるのは、犬の飼育頭数が伸びないことによると思われます。いずれにしても猫の飼育頭数は確実に伸びており、今回の調査成績からいくつかの要因が浮かび上がります。まず猫の性質による影響も大きいと考えられます。両者とも室内飼育が中心であるものの、散歩がいらないことが大きいのではないでしょうか。犬では週3~7回散歩をする方がもっとも多く、高齢の飼い主にとって大きな負担に思われます。また、鳴き声が大きくなく近隣の迷惑にならないことも都会での飼育に適していると思われます。それにこれは切実かもしれませんが、1ヶ月の支出総額の平均が犬で11,480円なのに対し、猫が7,521円と相当の開きがあり経済的な理由もあるように思われます。動物病院の受診回数も犬の4.36回に対し、猫では2.37回と少ないようです。さらに従来ペットといえば犬と猫が定番であったものが、エキゾチックアニマルなどペットが多様化したことも理由に成るのかもしれません。今回の調査で犬や猫を飼育する理由は、いずれも生活に癒し、安らぎが欲しかったと答える方が多くを占めました。複雑化する現代社会に生きる我々にとって、ストレスは増大するばかりであることを考えると、潜在的な犬や猫の需要はまだまだあるように考えられます。このコラムでも伴侶動物と生活することの効用をさらに広めていきたいと考えています。

一般社団法人ペットフード協会:平成30年 全国犬猫飼育実態調査 https://petfood.or.jp/data/chart2018/index.html