薬剤耐性(AMR)対策アクションプランに基づく施策のフォローアップ公表

掲載日:2018.09.04

医療における耐性菌の蔓延を背景として、世界保健機関(WHO)は2015年5月に抗菌薬耐性グローバルアクションプランを採択しました。この中で記載された戦略的目標を実行するに当たっての基本的な考えをOne Health approachとしました。つまり、ヒト-動物-環境という生態系全体で耐性菌対策を構築しようとするものです。その後、WHOの動きに連動して2016年4月に内閣府からAMR対策アクションプランが公表され、医療および獣医療での耐性菌対策が加速しています。AMR対策アクションプランが制定されてから2年が経過したことから、2018年6月13日に開催された内閣官房第6回国際的に脅威となる感染症対策推チームからAMR対策アクションプランのファローアップ内容が公表されています。これは昨年のフォローアップ以後の各府省における取組状況と今後の取組方針を整理したものです。特に動物分野で注目すべき点を戦略的目標ごとに述べたいと思います。なお、大まかな点は以前このコラムで書いた通りです。

2.動向調査・監視

・水産動物および愛玩動物についてAMRに関する全国調査を開始

・医療上重要な耐性菌について動物由来株の遺伝子を解析し、ヒト由来株との比較に着手

3.感染予防・管理

・抗菌剤の代替となる動物用ワクチン等の開発・実用化を支援

4.抗微生物剤の適正使用

・リスク評価よりヒトの健康へのリスクが無視できないとされた抗菌性飼料添加物(硫酸コリスチン、バージニアマイシン)の指定を取消

・魚類防疫員等専門家の使用指導書がないと養殖業者が抗菌剤を購入できない仕組みを導入(平成30年1月から)

5.研究開発・創薬

・研究結果を踏まえ豚の呼吸器病及び牛の乳房炎における抗菌剤の使用マニュアルを作成

・ワクチンを含む免疫誘導技術等の研究・開発のためのプロジェクトを開始

6.国際協力

・動物医薬品検査所において、アジア諸国のAMR検査担当者に対する技術研修・セミナーを実施(平成29年10月)

以上の通りで順調に推移しているように見受けられます。詳しくは以下の資料をお読みください。残すところ2年間でありアクションプランの完全なる履行と成果指標の達成が求められます。

 

 

H29年度フォローアップ(H30年6月13日第6回国際的に脅威となる感染症対策推進チーム)
(総括表)https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/infection/dl_file/h29followup_sokatsu.pdf
(概要)https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/infection/dl_file/h29followup_gaiyou.pdf