訃報

掲載日:2018.07.17

訃 報

 

 

元農林水産省動物医薬品検査所(動薬検)検査第一部長でOIE豚コレラ・リファレンス・ラボラトリーの責任者でもあった福所秋雄先生が、7月14日(土)の午後6時、脳内出血により急逝されましたのでお知らせします。享年71歳でした。

一貫して動物用生物学的製剤に関わった先生でありましたので、面識のある方々が多いと思い、ここに私が知る先生の生涯の断片をご紹介し追悼したいと思います。福所先生は1972年に北海道大学獣医学研究科予防治療学修士課程を経て直ぐに動薬検に奉職し、豚コレラ生ワクチンの国家検定に従事する傍ら画期的な豚コレラウイルスの検出系の開発や新規豚由来株化細胞を樹立するなど、独創的な研究を推進しました。その後、畜産局衛生課薬事室、家畜衛生試験場(動物衛生研究所)を経て、1997年に再び検査第一部長として動薬検に異動し、動物用生物学的製剤の国家検定や新規ワクチンの承認審査などに尽力されました。その後、再び動物衛生研究所に配置換えとなり、九州支所、海外病研究部を経て生物学的製剤センター長を最後に2005年3月に定年退職されました。折しも母校である日本獣医生命科学大学で獣医保健看護学科の開設にあたり、これまでの国家公務員としての経験とリーダーシップを買われて学科長として動物看護学の教育・研究の確立に尽力されました。獣医系大学における最初の動物看護師の育成機関の代表として発信する機会も多く、我が国の動物看護師の在り方に対して基本的な考え方を提示され国家資格化の必要性を指摘し続けました。その後、福所先生の考えを参考に獣医系大学として2番目となる酪農学園大学獣医保健看護学類の開設に繋がりました。早くから動物看護師の職域に関して動物病院の看護師にとどまらず、動物保健看護学分野の高度技術専門家として臨床検査会社や公務員、製薬企業など広範囲を目指すべきとの考えを発言し続けました。今まさに福所先生の考えの通りに、獣医学と動物看護学が両輪となる高度獣医療システムや獣医事活動が構築されるようになり、その先見の明にただただ驚くばかりです。

日獣大を定年退職後は体調のすぐれない奥様を全身全霊で手助けするともに、音楽を聴くことや写真撮影などの趣味も多彩で友人とゴルフやカラオケを楽しまれておりました。ご自身の体調管理には細心の注意を払っていたようで、亡くなる前日までは通常通りの日常をこなし全く予兆がなかったようでした。また福所先生は、非常に優しい心をお持ちの先生で、職階や華々しい研究業績をひけらかすこともなく、誰とも親しく対応する稀に見る人格者でした。私とは5歳離れているにも関わらず、生意気で我儘な私をまるで弟のように諭していただきました。今、福所先生の半生を振り返ってみると、ウイルス学を基盤に動物用ワクチンの開発、製造、国家検定、承認審査とワクチンに関わり続けた人生であったことが分かります。まだまだやりたいことがあったと思うと、本当に残念に思います。今はただこれまで頂いたご厚情に感謝するとともに、心安らかにお休みいただきたいと思う次第です。

合掌

 

2018年7月15日

酪農学園大学動物薬教育研究センター

田 村  豊

 

動物看護職養成教育の現状と将来
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