くすりの有効期限とは?

掲載日:2018.02.26

あらゆる製品には消費者の利便性を高めるために期限表示がなされています。使用者や消費者は表示期限をみて使用したり食べたり廃棄していると思います。そこで今回は動物用医薬品の有効期限を考えてみましょう。基本的に人が使用する医薬品も同じような考え方で決められています。

医薬品について国の承認を得る場合、同じ製剤を安定的に生産し供給するために製剤の、規格及び検査方法を設定する必要があります。構成成分がどのくらいの量が含まれているのかや、その物理的・化学的な性状を明確に決める必要があります。そうでなければ製造するたびに異なる製剤が作られることになり、使用者に安全で有効な製剤を供給することができません。この規格がある条件(ワクチンなら冷蔵庫の温度ですし、その他の医薬品は室温など製剤ごとに決められています)でどの位保存できるかを、経時的に定められた試験方法で試験して規格に合致するのかを確認していきます。この試験を安定性試験といって医薬品としての承認申請する場合は必須の試験項目になります。通常、希望する有効期間のプラス3か月のデータを提出することが求められます。つまり、1年間の有効期限を欲しい時は、1年と3カ月のデータを提出するのです。良く有効期限を若干超えた製剤を使用してニュース記事になった時など、国は安全性や有効性に問題ありませんとコメントするのは、口先だけで言っているのではなく実はデータを持っているからこそ言えるのです。この有効期限は製剤のラベルや外箱に記載されています。ところで、この製剤の有効期限の表示ですが、時に記載が無い場合があります。これは記載を忘れたのでは決してありません。規制緩和により3年間の安定試験のデータがあれば、あえて記載しなくても良いとされています。3年間も安定な製剤は基本的に多少の期間を過ぎても変質することは考えられず、通常は3年間以内に完売されるはずです。また、販売業者は期限を過ぎて廃棄することを避けるメリットもあります。しかしながら、有効性の有無にかかわらず、有効期限が過ぎた製剤は使用しないようにしましょう。

ところで食品にも医薬品と同じように添付されるラベルに期限表示がなされています。良くみると賞味期限と消費期限との記載がありますが、皆さんはその違いを知っているでしょうか?賞味期限が1日も過ぎたといってすぐに廃棄していませんか?賞味期限とは比較的安定な加工食品に使われ、安全性に問題なく風味や味に変化がない期間をいいます。したがって、賞味期限が多少過ぎても何ら食品として問題ないことから食べることができます。一方、消費期限は生鮮食品や弁当などの品質が急激に変化しやすい食品に使用され、安全に食べることができる期間をいいます。ですので、消費期限が表示されている食品は期限内のできるだけ早い時期に消費する必要があります。食品の賞味期限と消費期限の違いを理解して食品ロスにならないように気をつけたいものです。