要指示医薬品とは?

掲載日:2017.11.14

要指示医薬品は獣医師が使用する薬剤の中でも特に注意する必要があるものです。翻ってみれば動物の飼い主にとっても注意が必要な薬剤となります。そこで今回は要指示医薬品について説明したいと思います。

獣医師が専門的な知識と技術をもって使用しなければ危険であることから、薬局開設者又は医薬品の販売業者は、獣医師の処方せん又は指示を受けた者以外の者に対して、要指示医薬品を販売又は授与してはならないとされています。具体的に要指示医薬品とは、

(1)獣医師の専門的な知識と技術を必要とするもの、
(2)副作用の強いもの、あるいは
(3)病原菌に対して耐性を生じやすいもの等、

その使用期間中獣医師の特別な指導を必要なものが指定されています。また、要指示医薬品は、獣医師法第17条に定める飼育動物を考慮し、牛、馬、めん羊、山羊、豚、犬、猫または鶏を対象とするものに限られています。具体的には動物用の麻酔剤やホルモン剤や抗菌剤などであり、動物用医薬品等取締規則の別表第3に記載された製剤をいいます。ただし、基本的に一部の製剤を除いて外用剤は除外されています。また、水産用医薬品も除外対象です(2017/10/18 業界向け情報参照)。生産動物の製剤に対して獣医師の指示は口頭ではなく、指示書に必要事項を記載し、記名押印、または署名することになっています。伴侶動物では動物病院において獣医師の口頭による指示により実施されています。ではどのように要指示医薬品を区別するかといえば、直接の容器又は直接の被包に、「注意─獣医師等の処方せん・指示により使用すること」又は「要指示」の文字が記載されているので容易にできます。このような表示を見たら、先に述べたような製剤であるので取り扱いに一層の注意が必要です。小さな子供の手に触れない場所に保管することや直接手に触れたら手洗いを励行するなどが考えられます。

一方、人体用医薬品では、従来は要指示医薬品として同様の規制がおこなわれてきました。それが2005年4月にこれを処方せん医薬品と改称するとともにその品目が拡大されました。これは医師による指示が口頭では実際になされたのかが必ずしも明瞭ではないので、処方せんの発行を求めることによって医薬品の適正使用を一層徹底させることを目的としています。一部の抗菌剤を含む外用剤(目薬を含む)や経口投与のビタミン剤や漢方薬は除外されています。

次に生産動物においての要指示医薬品の適正使用について説明したいと思います。例えば、農家で飼育されている生産動物の体調が悪く家畜診療施設や獣医師に往診を依頼したとします。依頼された獣医師は動物を診察し必要に応じて要指示医薬品を投与あるいは処方することになります。この場合、要指示医薬品は獣医師法第18条に定める要診察医薬品であるため、獣医師自らの診察が義務付けられています。したがって、通常は電話等で病状を聴取し要指示医薬品を処方することができません。違反した場合は20万円以下の罰金に処せられます。要指示医薬品の手持ちがなかったり、不足している場合は指示書を農家に渡すことになります。農家は指示書を動物用医薬品販売業者に提示し、要指示医薬品の販売を受けることになります。要指示医薬品を実際に使用する場合は、残留に配慮する必要があり、製剤の用法・用量、使用禁止期間などの基準の遵守が求められています。この残留規制については別の機会に説明したいと思います。いずれにしても、要指示医薬品である抗菌剤の使用は残留あるいは耐性菌の出現に配慮する必要があり、慎重の上にも慎重に行う必要があるのです。