ジェネリック医薬品とは?

掲載日:2017.08.21

ジェネリック医薬品(generic drug)は、患者負担の軽減や医療保険財政の改善の切り札として厚生労働省がその使用を促進しているので、皆さんは薬局やテレビなどで聞いたことがあるかも知れません。動物用医薬品についてもジェネリック医薬品が存在しますので簡単に説明したいと思います。

ジェネリック医薬品は後発医薬品とも言われ、先発医薬品と治療学的に同等であるものとして製造販売が承認されたものです。一般に先発医薬品が販売された後にゾロゾロ販売されるので、「ゾロ品」とも言われます。英語でも「me-too drug」と言う場合があります。因みに先発医薬品は「新薬」と言われ、全く構造の新しい医薬品はピカピカなので「ピカ新」とも言います。

先発の動物用医薬品が種々のデータを添えて承認を得た場合、通常6年間の先発権が与えられます。これを再審査期間と言います。さらに特許を保有する場合は、この期間が延長します。再審査期間にジェネリック医薬品の承認は認められていません。言い換えれば承認のために新薬と同じデータが求められるということです。先発権は新薬の開発のために莫大な開発経費と開発期間を必要とするために申請会社に与えられているもので、この期間にできるだけ開発経費を回収する必要があるわけです。

ジェネリック医薬品と先発医薬品は全く同じかといえば、それは「No」です。具体的には主成分は同じなのですが、製剤には徐放性をもたせるためや、安定性を確保するなど、さまざまな成分が含まれており、全てが同じではありません。ですので医師の中には先発医薬品に拘る方も多かった訳で、厚生労働省が肝入りでジェネリック医薬品の使用を推進しているのです。

では、ジェネリック医薬品の承認を得るにはどのようなデータが必要でしょうか?現在、動物用医薬品では、申請された製剤の規格を確認する規格試験データと、有効期間を設定するための安定性試験データと、先発医薬品とジェネリック医薬品を対象動物に投与して、血液中の有効成分の推移が同等であることを確認する同等性試験データの3種類を申請に求めています。したがって、先発医薬品の申請に必要なデータと比べて非常に少ないデータで申請が可能であることから開発経費も低く、販売価格も安く設定できるということになります。つまり、ジェネリック医薬品の申請会社には、その製剤の対象動物に対する安全性や有効性に関する基礎データを持ち合わせていないことになります。

獣医師が動物を診療して医薬品を投与する場合、ジェネリック医薬品であるかどうかを説明することはないかもしれませんが、動物用医薬品も人体用医薬品と同じようにジェネリック医薬品があることをご理解いただければ幸いです。