抗菌性飼料添加物のリスク管理措置指針の制定

掲載日:2017.08.02

抗菌性飼料添加物(添加物)は、安全な食品の安定した生産を確保する上で重要な資材であるものの、その使用により選択される薬剤耐性菌が、畜産物を介して人の健康に影響を及ぼすリスクも常に存在します。このリスクを最小限にするためには、リスク評価に基づくリスク管理措置が必要となります。わが国において、食用動物に使用する添加物に関しては、平成 15 年以降、 薬剤耐性菌の食品を介した人への影響に関するリスク評価が、「家畜等への抗菌性物質の使用により選択される薬剤耐性菌の食品健康影響に関する評価指針」(平成 16 年 9 月 30 日食品安全委員会決定)に沿って内閣府に設置されている食品安全員会で順次行われています。

今般、農林水産省は添加物に関する食品安全委員会の評価結果を受けて、リスクの低減化のためのリスク管理措置を策定しました。(PDF参考資料①)これによると、リスクが低度以上に推定されれば、添加物としての指定の取り消し(必要に応じて、指定取り消しまでの経過期間を設定)となります。これは動物用抗菌性物質製剤のリスク管理措置策定指針(PDF参考資料②)よりさらに厳しい措置となります。その背景は、EUが2006年に成長促進目的での抗菌薬の使用を禁止したことや、米国で人の医療上重要な抗菌薬の成長促進目的での使用の自主的な中止を業界に要請したこと、さらにコーデックス委員会は、特別部会において薬剤耐性に関する実施規範の改正を行うことにしており、成長促進目的での使用のあり方についても議論されるなど、国際的に添加物に対する規制が強化される方向にあることと無縁ではないようです。実際、OIEによる実態調査(2017年公表)で、成長促進目的での添加物の使用を禁止している国が74%に上っています。これまでの添加物のリスク評価では、モネンシンナトリウムを始め9物質が「リスクは無視できる程度」と評価され、アンプロリウムを含む4物質は、「耐性菌を選択する可能性がない」と評価されました。しかし、バージニアマイシンとコリスチンは、「リスクは中等度」と判定されたことから、近々に禁止されることになります。